アイネクライネナハトムジーク(伊坂幸太郎)| かんたんな紹介と感想

忙しい日々の中、少ない読書時間でどの本を読むべきか、なかなか決められずに悩んでいませんか?この記事では、20秒ほどで伊坂幸太郎著「アイネクライネナハトムジーク」の紹介と感想が読めます。ぜひ本選びの参考にしてくださいね。

オススメな方

・スキマ時間で短編小説を読みたい方

・あまりない構成で新しい驚きを楽しみたい方

・ミュージシャンの斉藤和義が好きな方

かんたんな紹介

妻に出ていかれたサラリーマン、声しか知らない相手に恋する美容師、元いじめっ子と再会してしまったOL。人生は、いつも楽しいことばかりじゃない。でも、運転免許センターで、リビングで、駐車場で、奇跡は起こる。情けなくも愛おしい登場人物たちが仕掛ける、不器用な駆け引きの数々。明日がきっと楽しくなる、魔法のような連作短編集。

(上記出展元:作品裏表紙に記載されている出版社の紹介文)

読んだ理由

外出中に2~3時間の空き時間ができたので、重くなくお手頃価格で読める本を書店で物色。割と薄くて2024年7月時点で600円だったこと、伊坂幸太郎さんの本に興味を持ちつつも読んだことがなかったこと、これらが決め手となりチョイス。

心に響いた一節

『「学って名前じゃあ、弱そうでしょ」板橋香澄がそう言って顔をくしゃっとさせ、・・・』

(『』内、作品より引用。)

ここへたどり着いたとき、どこかのタイミングから薄々他力本願ではないかもと気づき始めていたドキドキを確定させるゴングが鳴るのが聞こえたのは私だけではないだろう。

感想

吉田大助さんが書かれている解説に、伊坂幸太郎さんが、過去作品の中で恋愛を扱うことがなかったと記載があった。恋愛キャンセリングシステムと評されている笑

伊坂さんは、みんなが興味を持つ恋愛は、料理で言えば肉みたいな存在だと思われていたと。肉が入っていればその料理はうまいに違いない、食べる前からうまいことが予想できる。肉が入っていないのにうまい料理を作れたほうがかっこいい、と考えられていたそう。

本作の「アイネクライネ」はミュージシャンの斉藤和義さんから、恋愛をテーマにしたアルバムを作るにあたり、『出会い』にあたる曲の歌詞を書いて欲しい、と頼まれ、作詞はできないけど小説であれば、ということで書き下ろされたものとのこと。「アイネクライネ」を元に斉藤和義さんが『ベリーベリーストロング~アイネクライネ~』という曲を作り、それがシングルカットされることになった際に書き下ろされたのが「ライトヘビー」。

平凡な日々の中で、いかにも地味でうっかりすると見落としてしまいそうな出会い、誰かによって意図的に作られた、ともすれば劇的な出会い。対照的なようで、実はどちらも静かに流れる日常の中で友人たちとの関係を紡いでいく中で生まれた出会いを表現している印象。

きっかけが恋愛をテーマにしたアルバムなので本作には恋愛の要素が含まれる。これまでに読んだ恋愛小説と比べると、本作は胃腸にやさしいながらも食べ応えもある料理といった感じで今の私には心地よく癒された。

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